沖縄の昔話^ - ^歴史探索
沖縄の昔話 キジムナー
はいさい ぐす〜よ ちゅうぅがなびら
沖縄の県魚…皆さんご存知ですね。グルクン(和名:タカサゴ)です。
他の地方名では、アカムロ(高知)、メンタイ、アカメンタイ(和歌山)、チャムロ(三重)と呼ばれてます。
成魚の全長は30cmほどで、体は前後に細長い紡錘形をしている。頭部が小さく、サバやムロアジに似たスマートな体型で背と体側には黄色の細い縦線が2本あるが、体側の縦線が側線より下にあることで同属のニセタカサゴと区別できます。。尾鰭は大きく二叉し、上下の先端がそれぞれ黒い。
生体の体色は青緑がかっているが、夜の休息時、興奮している時、死んで水揚げされた時などは体の側面などが赤みがかり、極端に体色が変化します。そのため生体を見たことがない人には赤っぽい魚として認識されています。
グルクンの唐揚げ
美味しんだよね(笑)
さて、今回は沖縄の昔話しを紹介します。
沖縄の県魚…皆さんご存知ですね。グルクン(和名:タカサゴ)です。
他の地方名では、アカムロ(高知)、メンタイ、アカメンタイ(和歌山)、チャムロ(三重)と呼ばれてます。
成魚の全長は30cmほどで、体は前後に細長い紡錘形をしている。頭部が小さく、サバやムロアジに似たスマートな体型で背と体側には黄色の細い縦線が2本あるが、体側の縦線が側線より下にあることで同属のニセタカサゴと区別できます。。尾鰭は大きく二叉し、上下の先端がそれぞれ黒い。
生体の体色は青緑がかっているが、夜の休息時、興奮している時、死んで水揚げされた時などは体の側面などが赤みがかり、極端に体色が変化します。そのため生体を見たことがない人には赤っぽい魚として認識されています。
グルクンの唐揚げ
美味しんだよね(笑)
さて、今回は沖縄の昔話しを紹介します。
【キジムナーの仕返し】
むかしむかし、沖縄本島南部の宇江城(うえぐすく→糸満市)というところに、サメ殿とよばれた漁師(りょうし)がいました。
ある夜、海へでて漁(りょう)をしていると、すぐそばで、おなじように魚をとる人がいました。
近くの村の人なら、たいてい見おぼえがあるはずなのに、どうも見たことがありません。(はて、誰だろう?)
それからは、夜おそくに漁へでるたびに、その男がやってきます。
そしてその男が現れると、魚がよくとれるのです。
「今夜も魚がたくさんとれたよ。あんたのほうはどうかね?」
「わたしだってとれたさ、見てごらん」
そのうちに二人は友だちになって、毎日のように一緒に漁をしました。
ところがその友だちは、名前をいわないし、顔つきも口のききかたも、ふつうの人たちとちがいます。(もしかしたらあの友だちは、人間ではないかもしれない)
ある時、サメ殿はそう考えました。
一度考えはじめると、気味が悪くなって、(あれはきっと、ヤナムン(→沖縄の言葉で妖怪のこと)が化けているのだ。このまま長いことつきあっていたら、悪いことがおこるだろう)と、思いました。
サメ殿はある夜、漁が終わって友だちと別れたとき、こっそりあとをつけました。すると友だちは、家のあるところを通りぬけて、当山(とうやま)という、さびしい丘へのぼっていきました。そして大きなクワの木に、吸い込まれるように姿を消したのです。
「たいへんだ。やっぱり友だちは人間ではねえ。あのクワの木にすむ、キジムナーが化けていたんだ」キジムナーというのはカッパのような妖怪で、古い木にすんでいて、魚とりがうまく、キジムナー火という火をともしたりもするそうです。
サメ殿は家にかえると、この事を妻にうちあけていいました。「明日も漁に行くから、お前はその間にほし草だの、ワラだのを持って、クワの木に行き、それに火をつけてクワの木を燃やしてしまうんだ」
さて次の夜、サメ殿と友だちとは、いつものように漁にでかけました。魚がとれはじめたとき、「クンクン。どうもおかしい。家のこげるにおいがするよ」と、友だちがいいだしました。
「そんなはずはないさ。ここからは何も見えないし、気のせいだろうよ」「いや、たしかににおう。こうしてはいられない」
友だちは大いそぎで漁をやめると、すぐに帰って行きました。でもすでに遅く、あの大きなクワの木はすっかり焼けてしまい、まっ黒になっていました。
その日から、キジムナーの友だちは姿を消してしまいました。
サメ殿は、これであの友だちと別れることが出来たと大喜びです。家をなくしたキジムナーは、すみかになる木をさがして、ずうっと北のほうの、国頭(くにかみ→沖縄本島北部)までいったそうです。
さて、それから何年もの月日がたちました。サメ殿はある時、首里(しゅり→昔の沖縄の都)の町へ出かけて、幼なじみの友だちとあいました。「しばらくぶりだ、酒をのんで話そう」二人して酒場へ入り、長い時間のんでは話すうちに、サメ殿はつい気が大きくなり、今までだれにもいわなかった、あのキジムナーの事や、クワの老木を妻に焼かせて追い出したことを、すっかりしゃべったのでした。それを聞いた幼なじみの友だちは、急にこわい顔になって怒り出しました。
「あんたは友だちに、そんなひどいしうちをしたか!たとえキジムナーだとしても、あんたに何をしたと言うんだ!あんたはわるい男だ!」
見ると、そこにいるのは幼なじみの友だちではなく、あのキジムナーだったのです。キジムナーは持っていた小刀で、サメ殿のゆびとゆびのあいだを切りつけました。「いたい! 何をする」このサメ殿は、全身がサメのようなザラザラのかたいはだをしていて、小刀くらいでは傷つかないのですが、ただ、ゆびとゆびのあいだだけがふつうのはだだったのです。
サメ殿は血を流しながら村へかえると、苦しんだあげくに死んでしまいました。
キジムナーは、ガジュマルやクワの大木をすみかとして、人間にはめったに害をしなかったといいます。
それどころか、人間に幸福をもたらしてくれるのです。しかし人間がうらぎったり、ひどいしうちをしたりしたときは、おそろしい仕返しをしました。
サメ殿は『鮫殿』と書き、沖縄の言葉では、サバムイと読むそうです。
お話は、著書 鮫どんとキジムナーを参考にしました。
これからも、色々な昔話や歴史について紹介していきますので、よろしくお願いします。m(__)m
むかしむかし、沖縄本島南部の宇江城(うえぐすく→糸満市)というところに、サメ殿とよばれた漁師(りょうし)がいました。
ある夜、海へでて漁(りょう)をしていると、すぐそばで、おなじように魚をとる人がいました。
近くの村の人なら、たいてい見おぼえがあるはずなのに、どうも見たことがありません。(はて、誰だろう?)
それからは、夜おそくに漁へでるたびに、その男がやってきます。
そしてその男が現れると、魚がよくとれるのです。
「今夜も魚がたくさんとれたよ。あんたのほうはどうかね?」
「わたしだってとれたさ、見てごらん」
そのうちに二人は友だちになって、毎日のように一緒に漁をしました。
ところがその友だちは、名前をいわないし、顔つきも口のききかたも、ふつうの人たちとちがいます。(もしかしたらあの友だちは、人間ではないかもしれない)
ある時、サメ殿はそう考えました。
一度考えはじめると、気味が悪くなって、(あれはきっと、ヤナムン(→沖縄の言葉で妖怪のこと)が化けているのだ。このまま長いことつきあっていたら、悪いことがおこるだろう)と、思いました。
サメ殿はある夜、漁が終わって友だちと別れたとき、こっそりあとをつけました。すると友だちは、家のあるところを通りぬけて、当山(とうやま)という、さびしい丘へのぼっていきました。そして大きなクワの木に、吸い込まれるように姿を消したのです。
「たいへんだ。やっぱり友だちは人間ではねえ。あのクワの木にすむ、キジムナーが化けていたんだ」キジムナーというのはカッパのような妖怪で、古い木にすんでいて、魚とりがうまく、キジムナー火という火をともしたりもするそうです。
サメ殿は家にかえると、この事を妻にうちあけていいました。「明日も漁に行くから、お前はその間にほし草だの、ワラだのを持って、クワの木に行き、それに火をつけてクワの木を燃やしてしまうんだ」
さて次の夜、サメ殿と友だちとは、いつものように漁にでかけました。魚がとれはじめたとき、「クンクン。どうもおかしい。家のこげるにおいがするよ」と、友だちがいいだしました。
「そんなはずはないさ。ここからは何も見えないし、気のせいだろうよ」「いや、たしかににおう。こうしてはいられない」
友だちは大いそぎで漁をやめると、すぐに帰って行きました。でもすでに遅く、あの大きなクワの木はすっかり焼けてしまい、まっ黒になっていました。
その日から、キジムナーの友だちは姿を消してしまいました。
サメ殿は、これであの友だちと別れることが出来たと大喜びです。家をなくしたキジムナーは、すみかになる木をさがして、ずうっと北のほうの、国頭(くにかみ→沖縄本島北部)までいったそうです。
さて、それから何年もの月日がたちました。サメ殿はある時、首里(しゅり→昔の沖縄の都)の町へ出かけて、幼なじみの友だちとあいました。「しばらくぶりだ、酒をのんで話そう」二人して酒場へ入り、長い時間のんでは話すうちに、サメ殿はつい気が大きくなり、今までだれにもいわなかった、あのキジムナーの事や、クワの老木を妻に焼かせて追い出したことを、すっかりしゃべったのでした。それを聞いた幼なじみの友だちは、急にこわい顔になって怒り出しました。
「あんたは友だちに、そんなひどいしうちをしたか!たとえキジムナーだとしても、あんたに何をしたと言うんだ!あんたはわるい男だ!」
見ると、そこにいるのは幼なじみの友だちではなく、あのキジムナーだったのです。キジムナーは持っていた小刀で、サメ殿のゆびとゆびのあいだを切りつけました。「いたい! 何をする」このサメ殿は、全身がサメのようなザラザラのかたいはだをしていて、小刀くらいでは傷つかないのですが、ただ、ゆびとゆびのあいだだけがふつうのはだだったのです。
サメ殿は血を流しながら村へかえると、苦しんだあげくに死んでしまいました。
キジムナーは、ガジュマルやクワの大木をすみかとして、人間にはめったに害をしなかったといいます。
それどころか、人間に幸福をもたらしてくれるのです。しかし人間がうらぎったり、ひどいしうちをしたりしたときは、おそろしい仕返しをしました。
サメ殿は『鮫殿』と書き、沖縄の言葉では、サバムイと読むそうです。
お話は、著書 鮫どんとキジムナーを参考にしました。
これからも、色々な昔話や歴史について紹介していきますので、よろしくお願いします。m(__)m